この記事の要点
- 最初にやるのは記録。1か月の着信を数えるだけで、議論の土台ができる。
- 次に、代われる人がいない状態を解消する。仕組みより先に体制の話。
- 仕組みの検討は3番目。記録がないまま検討しても、比べる基準がない。
人数が限られる会社では、夜間対応が特定の一人に集中しがちです。見直したいと思っても、何から手を付ければよいか分かりにくい。順番を整理します。
最初にやるべきことは何か?
記録です。1か月、夜間の着信を書き留めてください。手書きで構いません。何時に、誰から、どんな用件で、どうなったか。
この記録がないまま議論を始めると、感覚と印象の応酬になります。「けっこう鳴る」「そうでもない」で終わってしまい、次に進めません。
1か月ぶんあれば、月に何回起きているか、そのうち出動に至るのは何件か、取りこぼしはあるか。すべてが数字で見えます。
記録すると、何が分かるのか?
多くの場合、2つのことが分かります。ひとつは、思っていたより出動に至らない着信が多いこと。事前相談、他社からの連絡、間違い電話。これらのために起きています。
もうひとつは、取れなかった電話があることです。着信履歴を見ると、応答していない番号が残っていることがあります。それが何だったのかは、もう分かりません。
この2つが見えるだけで、議論は具体的になります。
次にやるべきことは何か?
代われる人がいない状態の解消です。仕組みの話より先に、体制の話です。
いま夜間を担っている人が、体調を崩したらどうなるか。旅行に出たらどうなるか。答えが「回らない」であれば、そこが最大の弱点です。
解消の方法は複数あります。もう一人が代われるようにする、外部に一次対応を任せる、仕組みを入れる。いずれにしても、一人に依存しない形を目指すことが目的です。
なぜ、仕組みの検討が3番目なのか?
記録と体制が整理されていないと、比べる基準がないからです。仕組みを入れて何が良くなったのかを、判断できません。
また、記録があると、事業者との話も具体的になります。「夜間に月20件、うち出動は5件」と言えるかどうかで、提案の質が変わります。
逆に言えば、記録は無駄になりません。仕組みを入れなくても、体制を見直す材料になります。
何を決めておけば、話が早く進むのか?
5つです。どの事業者と話すにせよ、これらは自社で決める必要があります。
- 第一声の言い回し(お悔やみを述べる位置を含む)
- 伺う項目とその順番
- 避けるべき言葉
- 人に引き継ぐ条件
- 通知の宛先と順番
これらが固まっていれば、複数の事業者に同じ条件で相談できます。比較もしやすくなります。
費用は、どこまで見ておくべきか?
初期費用と月額に加えて、変更の費用とやめるときの条件です。運用しながら必ず変えたくなりますし、合わなければやめる可能性もあります。
とくに後者は、契約時にしか確認できません。最低利用期間、解約の予告期間、預けたデータの扱い。戻せる形で始められるかが、試すハードルを決めます。
後回しにしてよいことは何か?
細かい応対の作り込みです。最初から完璧を目指すと、いつまでも始まりません。基本の項目を伺えれば、まずは十分です。
運用しながら、詰まった通話を見て直していく。最初の設計より、直せる体制のほうが重要です。
家族に説明するときは、何を伝えるのか?
家族経営の場合、体制の変更は家庭の話でもあります。何が変わって何が変わらないかを、家族にも共有してください。
お迎えには出る。呼ばれることはある。変わるのは、鳴るかもしれない状態で夜を過ごさなくてよくなること。この違いは、本人以外にも影響します。
効果は、どう確かめればよいのか?
最初に取った記録と比べてください。月に何回起きたか。出動に至らない着信で起きた回数はどう変わったか。取りこぼしはあったか。
同じ項目で比べることが要点です。導入後に別の指標を持ち出すと、比較になりません。
今日から始められることは何か?
記録を始めることです。紙一枚とペンがあればできます。事業者に相談する前でも、社内で合意する前でも、今夜から始められます。
1か月後、その紙を見ながら話せば、議論はまったく違うものになります。最初の一歩に、費用も契約も要りません。
記録は、どんな形式で取ればよいのか?
項目は4つで足ります。時刻、相手(分かれば)、用件の種別、その後どうなったか。ノートに横罫で書いていくだけで構いません。
形式にこだわると続きません。深夜に起きた直後でも書ける簡潔さが最優先です。詳しく書こうとすると、書かない日が出てきて、記録としての価値が下がります。
1か月続けたら、数えてみてください。合計、種別ごとの内訳、出動に至った割合。この3つが出れば十分です。
途中で気が変わったら、どうすればよいのか?
構いません。記録を取ってみた結果、いまの体制で問題ないと判断することもあり得ます。それも記録があってはじめて言えることです。
記録は、何かを導入するための準備ではありません。現状を把握するためのものです。結論がどちらに転んでも、把握していること自体に価値があります。
まとめると、順番は3つです。記録を取る、代われる人がいない状態を解消する、そのうえで仕組みを検討する。この順を守れば、判断の材料が揃った状態で進められます。逆にすると、比べる基準を持たないまま決めることになります。
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