苦情の電話は、仕組みに任せてよいのか

この記事の要点

  • 苦情の応対は任せない。ただし「受けた事実を確実に記録して届ける」ことは任せられる。
  • 早く人へ引き継ぐ設計にする。伺い続けると、状況を悪化させる。
  • 記録に残らないことが最悪。取り次げなかった苦情は、次の機会も失う。

お叱りのお電話は、頻度は高くありませんが、対応を誤ると影響が大きい種類の電話です。仕組みとの向き合い方を整理します。

そもそも、任せてよいのか?

応対そのものは任せるべきではありません。お叱りの背景には個別の事情があり、その場の判断と、人としての受け止めが求められます。定型的な応対では、かえって状況を悪化させます。

ただし、受けた事実を確実に記録して届けることは任せられます。むしろ、ここが最も重要な部分です。

取り次げず、記録も残らず、誰も知らないまま終わる。これが最悪の結果です。お叱りの内容以前に、届かなかったこと自体が次の不信を生みます。

どう見分けるのか?

完全な見分けは困難ですが、手がかりはあります。過去のご施行に関するお話であること、感情が強く表れていること、担当者の名前が出ること。

ただし、見分けの精度に依存した設計にしないほうが安全です。判断に迷ったら人へ引き継ぐ。この方針であれば、見分けを外しても大きな失敗になりません。

引き継ぐタイミングは、いつがよいのか?

早いほどよいと考えてください。伺い続けると、「機械に説明させられた」という不満が上乗せされます。

とくに、同じことを二度言わせないことが重要です。仕組みに一通り話したあと、人に代わってまた最初から。これは最も避けたい展開です。

引き継ぐ際は、それまでに伺った内容が担当者に渡っている必要があります。渡っていなければ、結局は二度話していただくことになります。

深夜にかかってきた場合は、どうするのか?

判断が要ります。ご逝去の連絡と違い、その場で対応しなければならない性質のものではありません。一方で、放置すると翌朝までに感情が高まることもあります。

現実的な設計としては、その場で受け止め、翌朝の早い時間に責任者から折り返すという形でしょう。深夜に担当者を起こすかどうかは、内容によります。

いずれにせよ、いつ折り返すかを明確にお伝えすることが要点です。「後日」ではなく「明日の午前9時までに」。曖昧な約束は、さらなる不満の原因になります。

記録には、何を残すべきか?

4つです。いつ、どなたから、どのようなお話で、何をお約束したか。とくに最後の項目が抜けると、折り返した担当者が困ります。

可能であれば、お言葉をそのまま残すほうがよいでしょう。要約すると、感情の強さや具体的な表現が失われます。折り返す側は、実際に何と言われたかを知っておく必要があります。

誰に届けるべきか?

責任者です。通常の当番に届けるだけでは足りません。苦情の内容によっては、経営としての判断が必要になります。

設計としては、苦情と判断された通話は別の宛先に届く形にしておくのが確実です。他の連絡に埋もれると、対応が遅れます。

どんな設計が、状況を悪化させるのか?

3つあります。いずれも実際に起こり得るものです。

いずれも、早く人へ引き継ぐことで避けられます。仕組みが頑張るほど悪化する、という珍しい種類の場面です。

引き継げなかった場合は、どうなるのか?

深夜で誰も出られないことはあり得ます。その場合でも、受け止めて記録し、折り返しの時間をお伝えするところまでは行うべきです。

「担当者におつなぎできませんでした」で切れてしまうと、何も残りません。翌朝、責任者はその電話があったことすら知らないままになります。

この記録は、どう活かせばよいのか?

集めて読み返してください。頻度は低くても、内容には共通する部分があります。同じ場面で同じお叱りを受けているなら、そこに改善すべき点があります。

個別の対応で終わらせると、同じ苦情が繰り返されます。記録が1か所に集まっていることが、改善の前提になります。

担当者を守るには、何が必要か?

一人で抱えさせないことです。お叱りを受けた担当者は、内容によっては大きな負担を負います。記録が共有され、責任者が把握している状態であれば、その負担は分散されます。

仕組みが受けた場合も同様です。翌朝に折り返す担当者が、何を言われたかを事前に知っている状態で臨めるかどうかで、心の準備が違います。準備なしに折り返すのは、担当者にとって過酷です。

深夜に受けたお叱りは、翌朝どう扱うのか?

優先して対応してください。夜のあいだ、ご相手は返答を待たれています。他の業務より先に折り返す運用にしておくべきです。

そのためには、朝一番に苦情の記録が目に入る形になっている必要があります。他の連絡と同じ場所に並んでいると、埋もれます。別の宛先に届ける設計が効いてくるのは、この場面です。

最後に、お叱りのお電話は、その会社に期待が残っているからこそいただけるものだという見方もあります。何も言わずに離れていかれる方のほうが多い。だからこそ、届いた声を確実に記録し、必ず折り返す体制を持つ意味があります。

Tomori は、葬儀社の夜間・早朝のお電話を AI が一次対応し、引継ぎメモを添えて担当者へお繋ぎするサービスです。

デモ・ご相談のお問い合わせはこちら 株式会社VODE ── 日本の業界知に、音声AIの実装力を。現場のお話を伺うだけのご協力も歓迎しております。