AI電話受付の導入には、どれくらいかかるのか

この記事の要点

  • 律速になりやすいのは、電話番号の手配と、応対内容の決定。技術的な設定ではない。
  • 応対の言い回しや伺う項目を決める作業は、自社でしかできない。ここを先に進めておくと早い。
  • 試験運用の期間は削らない。夜間の着信が数件は入る長さを確保する。

導入を検討する際、「どれくらいで使えるようになるか」は必ず問われます。工程ごとに分けて整理すると、何が時間を決めているのかが見えてきます。

どんな工程があるのか?

大きく5つです。番号の手配、応対内容の決定、通知先の設定、試験運用、本番への切り替え。このうち、技術的な設定に相当するのは3つ目だけです。

多くの方が「設定に時間がかかる」と想像されますが、実際に時間を要するのは決めごとの部分です。何をどう伺うか、どんな言い回しにするか。ここは自社でしか決められません。

逆に言えば、この部分を先に進めておけば、全体は大きく短縮できます。

電話番号は、どうするのか?

選択肢は2つです。新しい番号を用意して転送する形と、いまの番号をそのまま使う形。それぞれ手間と期間が違います。

新しい番号を用意する場合は比較的早く始められますが、夜間だけ転送する設定が必要になります。いまの番号をそのまま移す場合は、事業者間の手続きに日数がかかることがあります。

試すだけであれば、新しい番号を用意して夜間だけ転送する形が現実的です。うまくいかなければ転送を止めるだけで元に戻せます。

応対内容を決めるのに、どれくらいかかるのか?

ここが最も個社差の大きい部分です。既に電話応対の手順が文書化されている会社であれば数日、ゼロから決める場合は数週間かかることもあります。

決めるべきは、第一声の言い回し、伺う項目とその順番、避ける言葉、お悔やみを述べる位置、そして人に引き継ぐ条件。この5つが決まれば、あとは形にするだけです。

先に決めておくことをお勧めします。サービスを選ぶ段階でこれらが固まっていれば、各社に同じ条件で見積もりを取れますし、比較もしやすくなります。

通知先の設定は、何を決めるのか?

誰に、どの手段で、どういう順番で届けるかです。1人に届いて終わりでは、その人が寝ていれば止まります。次の人へ回る経路まで含めて決めてください。

あわせて、届かなかったときにどうなるかも確認します。送信に失敗しても誰も知らない仕組みだと、電話は鳴ったのに誰も知らないまま朝になります。

試験運用は、どれくらい必要か?

夜間の着信が数件は入る長さを確保してください。1日試して問題なかった、では確かめたことになりません。夜間対応で困るのは、いつもの夜ではなく、いつもと違う夜です。

試験のあいだは、従来の体制も並行して残します。二重になりますが、期間は限られますし、比べられる利点があります。

確かめるのは応対だけではありません。通知が届くか、記録が読めるか、翌朝の担当者がその記録だけで動けるか。最後まで通してみることが目的です。

いちばん時間がかかるのは、どこか?

社内の合意です。技術の話ではありません。夜間の体制を変えることは、担当者の働き方に直結します。説明と納得に時間を要するのは自然なことです。

説明の際は、何が変わって何が変わらないかを具体的に伝えてください。お迎えには今までどおり出る。変わるのは、鳴るたびに起きる必要がなくなることだけ。ここを曖昧にすると、後で齟齬が出ます。

短縮できる部分はどこか?

並行して進められるものを見極めることです。番号の手配と応対内容の決定は、同時に進められます。順番に片付けようとすると、待ち時間が積み上がります。

工程誰が動くか並行できるか
番号の手配事業者と自社できる
応対内容の決定自社できる
通知先の設定自社応対内容の後
試験運用自社すべての後

急いで始めるべきではない部分はあるのか?

試験運用です。ここを削ると、本番で想定外に出会います。ご遺族に関わる部分ですから、慎重すぎるということはありません。

また、応対内容の決定も急がないほうがよい。ここが曖昧なまま始めると、運用しながら何度も変えることになり、結果として時間がかかります。

最初の一歩は、何をすればよいのか?

夜間の着信を1か月記録することと、応対の5項目を決めること。この2つは、どのサービスを選ぶかに関わらず必要です。

先に進めておけば、検討が具体的になり、導入も早くなります。どちらも社内だけで始められます。

費用の見通しは、いつ立てられるのか?

応対内容が固まった段階です。伺う項目の数や、人へ引き継ぐ条件によって、必要な機能が変わります。決まっていない状態で見積もりを取ると、後から追加が発生しがちです。

確認すべきは、初期費用と月額に加えて、変更にかかる費用です。言い回しを直したい、伺う項目を1つ増やしたい。運用しながら必ず出てくる要望に、どれだけかかるのか。ここが高いと、改善が止まります。

途中でやめたくなったら、どうなるのか?

契約前に確認しておくべき点です。最低利用期間があるか、解約の予告はいつまでに必要か、預けたデータはどうなるか。やめるときの条件は、契約時にしか交渉できません。

あわせて、電話番号を元に戻す手順も確認しておきます。夜間だけ転送する形であれば転送を止めるだけですが、番号を移していた場合は手続きが必要です。

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