この記事の要点
- 拠点ごとに番号を分けると振り分けは簡単だが、記録が分散して全体が見えなくなる。
- 集約すると全体は見えるが、どの拠点の案件かを聞き取りで判断する必要が出る。
- どちらでも、担当者に届くまでの経路と、届かなかったときの次の宛先を決めておく。
拠点が複数ある会社では、夜間の電話をどこで受けるかが設計の要点になります。方式ごとの利点と落とし穴を整理します。
どんな方式があるのか?
大きく2つです。拠点ごとの番号で受ける方式と、1か所に集約して振り分ける方式。それぞれ長所が異なります。
拠点ごとの方式は、かかってきた番号で行き先が決まるため、振り分けの判断が要りません。設計が単純です。
集約する方式は、すべての着信が1か所に集まるため、全体の状況が見えます。ただし、どの拠点が対応すべきかを判断する工程が必要になります。
拠点ごとに分けると、何が問題になるのか?
記録が分散します。拠点Aの着信は拠点Aにしか残らないため、全体で何件あったのか、どこで取りこぼしたのかが見えません。
また、拠点ごとに担当者が一人ずつという状態を生みやすくなります。その拠点の担当者が対応できないとき、他の拠点が肩代わりする経路がなければ、そこだけ穴になります。
解決策としては、番号は分けたまま、記録と通知だけ集約するという構成が考えられます。行き先の判断は単純なまま、全体は見える形です。
集約すると、何が難しくなるのか?
どの拠点の案件かを判断する必要が出ます。深夜にご遺族から電話を受けて、どこの病院にいらっしゃるかを伺い、担当する拠点を決める。この判断をどこで行うかが設計の要点です。
お迎え先を伺えていれば、地名から機械的に振り分けることは可能です。ただし、お迎え先が伺えなかった場合の扱いを決めておく必要があります。
この場合は、判断せず全拠点に通知するのが安全です。誰も動かないよりは、複数が動いて調整するほうがましです。
どちらを選ぶべきなのか?
拠点間の距離によります。近接していて相互に対応できる関係なら、集約が有利です。離れていて実質的に別会社に近い運用なら、拠点ごとのほうが素直です。
| 拠点ごと | 集約 | |
|---|---|---|
| 振り分けの判断 | 不要 | 必要 |
| 全体の把握 | 難しい | できる |
| 相互の応援 | 経路が要る | しやすい |
| 設定の手間 | 拠点数ぶん | 1か所 |
通知は、どう設計するのか?
いずれの方式でも、担当者に届くまでの経路と届かなかったときの次の宛先を決めておきます。1人に届いて終わりでは、その人が寝ていれば止まります。
順番に回す形が現実的です。まず当番、一定時間で応答がなければ次の人、それでも駄目なら管理者。この階段を作っておけば、誰かには届きます。
あわせて、通知が失敗したこと自体が分かる形にしてください。送ったが届かなかった、を検知できないと、翌朝まで誰も気付きません。
当番の管理は、どうすればよいのか?
予定表と連動させられると理想的ですが、まずはいま誰が当番かが1か所に書いてあれば十分です。この情報が個人の記憶や紙のメモにしかないと、変更の反映が漏れます。
とくに交代の直後は事故が起きやすい部分です。切り替えの時刻をまたぐ着信がどちらに行くかを確認しておいてください。
拠点をまたぐ引継ぎは、どう扱うのか?
記録の形式を揃えておくことが前提になります。拠点ごとに書き方が違うと、応援に入った人が読めません。
揃えるべき項目は多くありません。お迎え先、お連れする先、ご連絡先、ご希望の時間。この4つが同じ形で書かれていれば、どの拠点の人でも動けます。
拠点を増やすときは、何を確認するのか?
設定の追加がどれだけ簡単かです。拠点を1つ増やすたびに事業者への依頼が必要で費用も発生する、という条件だと、拡大のたびに負担が生じます。
自社で追加できるか、どのくらいの手間か。拡大の予定があるなら、契約前に確認しておくべき点です。
まず何から整理すればよいのか?
いま、どの番号がどこに転送されているかを一覧にしてください。拠点が増えるにつれて設定が積み重なり、現状を誰も正確に把握していないという状態が起こりがちです。
一覧を作ると、想定と違う設定が見つかることがあります。使われていない転送、二重になっている経路、切れている宛先。設計を考える前に、現状を確かめることが先です。
拠点をまたぐと、記録の権限はどうなるのか?
どの拠点の人が、どの拠点の記録を見られるかを決めておく必要があります。すべての拠点がすべてを見られる形は簡単ですが、扱う情報の性質を考えると、必要な範囲に絞るほうが安全です。
一方で、応援に入るときには相手の拠点の記録を読む必要があります。普段は絞り、必要なときには見られるという設計が求められます。導入時に、この切り替えがどう行われるかを確認してください。
夜間だけ集約する、という形はあるのか?
あります。日中は拠点ごとに受け、夜間だけ1か所に集約する。夜間は当番が限られるため、集約したほうが管理しやすいという判断です。
この場合、切り替えの時刻をまたぐ着信の扱いを必ず確認してください。境目で落ちる設定になっていないか、実際にかけて確かめる。設定した時刻の前後1分は、必ず試すべき部分です。
拠点が増えるほど、設定は複雑になり、把握しにくくなります。だからこそ、現状の一覧を更新し続けてください。年に一度でも見直す習慣があれば、使われていない経路や切れた宛先が積み重なることを防げます。
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