事前相談の電話は、AIに任せてよいのか

この記事の要点

  • 事前相談は急がない。だからこそ、その場で無理に答えず折り返す設計が成り立つ。
  • 任せてよいのは、ご要望を伺って記録すること。費用や可否の断定は任せない。
  • 最大の価値は、24時間いつでも相談の入口があること。深夜に調べている方に届く。

葬儀社への電話は、ご逝去の連絡だけではありません。事前のご相談も一定数あり、夜間にかかってくることもあります。任せ方の設計を整理します。

ご逝去の連絡と、何が違うのか?

3つ違います。急ぎ方、伺うべき内容、そして相手の状態です。

ご逝去の連絡は急ぎます。事前相談は急ぎません。この違いは設計に直結します。急がないのであれば、その場で無理に答えず、翌日に人が折り返すという設計が成り立ちます。

相手の状態も違います。ご逝去の連絡は動揺されている方が多い一方、事前相談は落ち着いてお調べになっている段階です。応対に求められるものが異なります。

どこまで任せてよいのか?

ご要望を伺って記録することです。どんな規模をお考えか、いつ頃のことか、ご予算の目安はあるか。この程度であれば、伺って残すことに問題はありません。

逆に、費用の断定と可否の判断は任せるべきではありません。「その日程は空いています」「その内容なら○○円です」と答えてしまうと、後から訂正することになります。

設計としては、その場で約束しない形にしておきます。伺って、翌日に担当者から詳しくご連絡する。この形であれば、誤った案内が生じません。

最大の価値は、どこにあるのか?

24時間、相談の入口があることです。事前相談を考え始める方は、夜に調べていることが多い。そのときに電話がつながるかどうかで、次に進むかどうかが変わります。

留守番電話では、多くの方はメッセージを残さずに切られます。「話を聞いてもらえた」という体験があってはじめて、次の一歩につながります。

この点は、ご逝去の連絡とは違う種類の価値です。取りこぼしを防ぐというより、接点を作るという性質のものです。

お悔やみを述べてはいけないのは、なぜか?

まだご逝去かどうか分からないためです。名乗った直後にお悔やみを述べる設計にすると、事前相談の方に対して不適切な応対になります。

この失敗は実際に起こります。「葬儀社にかかってくる電話はご逝去の連絡だ」という前提で設計すると、事前相談の方を戸惑わせます。

順番としては、まずご用件を伺い、ご逝去だと分かってからお悔やみを述べる。この形にしておけば、どちらの場合も自然です。

伺う項目は、どう設計するのか?

ご逝去の連絡とは別に用意します。共通する項目もありますが、順番も内容も違います。

ご逝去の連絡事前相談
お迎え先ご検討の背景
お連れする先ご希望の規模
ご連絡先ご連絡先
ご希望の時間ご都合のよい時間帯

最後の項目が特に違います。ご逝去の連絡では「何時にお迎えに伺うか」ですが、事前相談では「いつ折り返してよいか」です。夜間にかけてこられた方に、翌朝すぐ電話してよいとは限りません。

分岐は、どう判断するのか?

最初にご用件を伺うのが確実です。ただし、分かりやすく尋ねる必要があります。専門的な言い方では、初めての方に伝わりません。

分からなかった場合の扱いも決めておきます。判断できないときは、急ぐ側として扱うのが安全です。事前相談を急ぎ案件として扱っても大きな損失にはなりませんが、逆は取り返しがつきません。

記録は、どう扱えばよいのか?

ご逝去の記録とは別に管理することをお勧めします。急ぎ方も、その後の流れも違うためです。同じ一覧に並ぶと、緊急のものが埋もれます。

あわせて、いつ折り返したかが残る形にしてください。事前相談は急がないぶん、対応が後回しになりやすく、そのまま忘れられることがあります。

折り返しは、どのくらいの速さがよいのか?

お伝えした時間を守ることが最優先です。「明日の午前中」とお伝えしたなら、午前中にかける。速さそのものより、言ったとおりであることが信頼につながります。

だからこそ、その場で無理な約束をしない設計が要ります。守れない時間をお伝えすると、最初の印象を損ないます。

まず何を決めればよいのか?

3つです。ご用件の分岐の仕方、事前相談で伺う項目、折り返しの約束の仕方。この3つが決まれば、あとは形にするだけです。

いずれも自社でしか決められません。実際にどう応対しているかを書き出すところから始めてください。

資料のご請求は、どう扱えばよいのか?

事前相談のお電話では、資料をご希望されることがあります。この場合、送付先を伺うことになりますが、ご住所を電話で正確に聞き取るのは難しいという問題があります。

現実的な設計としては、お電話番号を伺い、翌日に担当者から確認のうえで送付する形でしょう。深夜に住所を復唱して確認する工程は、ご負担にもなります。

あるいは、ご希望があればウェブサイトからのご請求をご案内する形も考えられます。どちらにせよ、その場で完結させようとしないほうが確実です。

他社と比較検討されている場合は、どうするのか?

比較の段階でお電話されている方も多くいらっしゃいます。この場合、応対そのものが判断材料になります。深夜につながったこと、丁寧に伺ってもらえたこと。それ自体が印象を作ります。

逆に言えば、この段階での応対の質が、選ばれるかどうかに直結します。急ぎでないからと軽く扱う設計にすべきではありません。

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