電話の内容を担当者へ渡すとき、何が落ちるのか

この記事の要点

  • 落ちやすいのは、数字・固有名詞・こちらがお伝えした約束・ご遺族の様子。
  • 「伝わったつもり」は確認できない。読んだかどうかが分かる形にする。
  • 落ちたことに気付ける仕組みがないと、同じ落ち方を繰り返す。

夜に受けた内容が、翌朝の担当者に正しく伝わる。当たり前のようですが、実際にはいくつもの段階があり、それぞれで情報が落ちます。どこで何が落ちるのかを見ていきます。

そもそも、どこで落ちるのか?

3か所あります。伺うとき書くとき読むときです。それぞれ落ち方が違います。

伺うときの欠落は、そもそも聞いていない、あるいは聞き違えた場合です。書くときの欠落は、聞いたけれど書き漏らした場合。読むときの欠落は、書いてあるのに見落とした場合です。

対策も段階ごとに違います。まとめて「引き継ぎを丁寧に」と言っても改善しません。どこで落ちているかを特定するところから始まります。

いちばん落ちやすいのは、どんな情報か?

数字と固有名詞です。電話番号、生年月日、施設名、お名前の漢字。いずれも、少しの違いが決定的な誤りになります。

これらは「なんとなく覚えている」が通用しません。他の情報であれば文脈で補えますが、番号が1桁違えば連絡はつきません。復唱と記録の両方が要るのはこの種類の情報です。

次に落ちやすいのが、こちらからお伝えした内容です。「何時頃に伺うとお伝えしたか」は、ご遺族との約束であるにもかかわらず、記録から抜けやすい項目です。

ご遺族の様子は、なぜ落ちるのか?

項目として決まっていないからです。書式に欄がなければ書かれませんし、書いたとしても定型の項目より優先度が低く見えます。

けれども、この情報は翌朝の応対を左右します。動揺されていた方と、落ち着いておられた方とでは、電話口での切り出し方が変わります。「事実」ではないから記録しない、という運用が、応対の質を下げていることがあります。

「伝えたつもり」は、どう防ぐのか?

読んだかどうかが分かる形にすることです。書いて置いておくだけでは、読まれたかどうかを確かめる術がありません。

朝礼で口頭確認する、既読が分かる仕組みを使う、担当者から一言返してもらう。方法は何でも構いませんが、「渡した」ではなく「受け取られた」まで確認するという考え方が要ります。

これは通知の仕組みにも同じことが言えます。送信したことと、届いたことは別です。送信に失敗しても誰も知らない仕組みだと、電話は鳴ったのに誰も知らないまま朝になります。

落ちたことに、どうやって気付くのか?

ご遺族に同じことを二度伺った時点で気付きます。ただ、それは事後です。気付いたときには、すでにご遺族に負担をかけています。

事前に気付く方法は、受け取った側が確認する習慣です。朝、メモを読んだ担当者が「この項目が空いている」「番号が1桁足りない」と気付ければ、ご遺族に伺う前に社内で確認できます。

そのためには、空欄が空欄として見えることが前提です。埋まっているように見えるメモは、この気付きの機会を奪います。

同じ落ち方を繰り返さないためには?

記録しておくことです。「先週、施設名が抜けていた」「番号の聞き違いが2件あった」といった事実を残しておくと、どこを直すべきかが見えてきます。

個人の注意力の問題にしないことが大切です。疲れている深夜に、注意力で防ぐことを求めるのは無理があります。書式を変える、復唱の対象を決める、といった仕組みの側で解くべき問題です。

人数が少ない会社では、どうすればよいのか?

むしろ落ちやすくなります。受けた人と翌朝の担当者が同じであれば、記録がなくても回ってしまうためです。回っているうちは問題が見えません。

しかし、その状態はその人が休めないことを意味します。記録がなければ他の人は代われません。人数が少ないからこそ、記録を残す価値があります。

仕組みに任せると、どこが改善するのか?

「書くとき」の欠落が減ります。決まった形で記録されるため、疲れによる書き漏らしがなくなります。数字や固有名詞も、聞き取った内容がそのまま残ります。

一方で、「伺うとき」の欠落と「読むとき」の欠落は残ります。想定していない話は聞き取れませんし、記録があっても読まれなければ同じです。仕組みが解けるのは3つのうち1つだと理解しておくと、期待の設定を誤りません。

最初に手を付けるなら、どこか?

書式です。項目を決め、空欄を空欄として残せる形にする。これだけで、3つの段階のうち2つに効きます。伺うときには何を聞くべきかの指針になり、読むときには何を確認すべきかが見えます。

紙一枚から始められます。仕組みの導入を検討している場合でも、先に書式を決めておくと、何を任せたいのかが明確になります。

受け取る側が確認すべきことは何か?

3つあります。空欄がないか、数字の桁が合っているか、こちらからお伝えした内容が書かれているか。この3点を朝いちばんに見るだけで、ご遺族に伺う前に社内で解決できる問題がかなり減ります。

とくに3つ目は見落とされがちです。ご遺族は「何時に来ると言われた」と記憶しておられます。こちらがそれを把握していないまま電話をすると、その一言で信頼が崩れます。記録に残っていなければ、受けた本人に確認するしかありません。

確認は1分で終わります。この1分を習慣にできるかどうかが、引き継ぎの質を決めます。

Tomori は、葬儀社の夜間・早朝のお電話を AI が一次対応し、引継ぎメモを添えて担当者へお繋ぎするサービスです。

デモ・ご相談のお問い合わせはこちら 株式会社VODE ── 日本の業界知に、音声AIの実装力を。現場のお話を伺うだけのご協力も歓迎しております。