AI受付の導入初日に、何を確認すべきか

この記事の要点

  • 応対だけを見て終わりにしない。通知が届き、記録が読め、翌朝動けるかまで通して確かめる。
  • わざと失敗させる。途中で切る、答えない、人を呼ぶ。うまくいく道だけ確かめても意味がない。
  • 初日の記録は残しておく。後から比べる基準になる。

運用を始めた初日は、確認すべきことが多くあります。順番を決めておかないと、応対の印象だけ見て安心してしまいます。通しで確かめる手順を整理します。

まず、何から確認するのか?

自社の番号にかけて、つながることです。当たり前のようですが、転送の設定や時間帯の指定を誤っていると、そもそも届きません。

つながったら、名乗りと最初の案内を聞きます。会社名は正しいか、AIであることを伝えているか、録音や外部処理の告知は流れているか。ここは決めた文言どおりであるべき部分です。

文字で確認した文言と、音声で聞いた印象は違います。速さ、間の取り方、語尾の下げ方。聞いてはじめて分かることがあります。

応対は、どこまで試すべきか?

うまくいく道だけでなく、うまくいかない道も試します。順調な会話を1回試して終わりにしないでください。

最後の項目は特に重要です。深夜の電話は途中で切れます。切れたときに何も残らない仕組みだと、その一本は存在しなかったことになります。

通知は、どう確かめるのか?

実際に届くかを見ます。試験の通話が終わったあと、決めた宛先に決めた形式で届いているかを確認してください。

あわせて、届かなかった場合にどうなるかも試します。通知先の設定をわざと誤ったものにして、失敗が分かる形になっているかを確認する。「送った」と「届いた」は別です。

複数の担当者に届く設定であれば、全員に届いているかも見ます。1人に届いて終わりだと、その人が寝ていれば止まります。

記録は、誰が読んでも分かるか?

通話を担当していない人に読ませてみてください。書いた本人には分かっても、他の人には伝わらないことがあります。

確認する観点は、この記録だけで翌朝動き出せるかです。お迎え先、お連れする先、ご連絡先、ご希望の時間。この4つが読み取れれば合格です。

読み取れない項目があれば、伺い方か記録の形式に問題があります。初日に見つかれば、すぐ直せます。

翌朝の動きは、どう確かめるのか?

実際に翌朝、記録を見て動いてみます。担当者が出社して最初に何を見るのか、どこに置かれているのか、見落とす可能性はないか。

ここまで通して確認して、はじめて「電話が鳴ってから担当者が動き出すまで」が一続きになっていることを確かめたことになります。応対だけを見ていては分かりません。

従来の体制は、いつ外すのか?

初日には外しません。しばらく並行して残してください。二重になりますが、比べられる利点がありますし、うまくいかなかったときの受け皿になります。

外す判断は、夜間の着信が数件は入ってからにしてください。1日で判断するのは早すぎます。

記録しておくべきことは何か?

初日に試した内容と、その結果です。何を試して、どうなったか。うまくいかなかった点と、その場で直したこと。

この記録は、後から比べる基準になります。数か月後に「以前はどうだったか」を確認したくなったとき、初日の記録があると助かります。

関係者には、何を伝えておくのか?

今日から夜間の受け方が変わること、そして何が変わって何が変わらないかです。お迎えには今までどおり出ること、鳴るたびに起きる必要はなくなること。

あわせて、気付いたことを書く場所を伝えておきます。初日は想定外が最も多く出る日です。その気付きを拾えるかどうかが、その後の改善の速度を決めます。

初日が終わったら、何を見返すのか?

実際に入った着信があれば、その通話を聞いてください。試験の通話とは違う言い回しや、想定していなかった相談が出てきます。

着信がなかった場合も、翌朝に記録を見る習慣だけは始めてください。見る習慣が定着するかどうかが、その後の運用を左右します。

確認は、誰が行うべきか?

実際に夜間対応を担っている担当者です。仕組みを入れた人だけで確認すると、「動いていること」は分かっても、「現場で使えること」は分かりません。

とくに記録の読みやすさは、日々ご遺族と接している人でなければ判断できません。何が書かれていれば動けるのか、何が抜けていると困るのか。この感覚は現場にしかないものです。

初日にすべてを完璧にする必要はあるのか?

ありません。むしろ、初日に見つかる問題は多いほうがよいくらいです。試験運用の期間を設けているのは、そのためです。

重要なのは、見つけた問題が記録され、直る道筋があることです。気付いたのに誰も直さない状態が続くと、現場は諦めます。初日に出た指摘への対応の速さが、その後の協力度合いを決めます。

最後に、初日の確認は一度で終わりにしないでください。着信の入り方は日によって違います。翌週、翌月と、状況が変わったときに同じ項目をもう一度確かめる。この繰り返しが、想定外への備えになります。

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