この記事の要点
- すぐ動くのはお迎えの手配だけ。他の多くは朝で間に合う。
- ご遺族にその夜のうちにお願いすべきなのは、本籍地などの確認くらい。
- 「すぐやること」と「朝でよいこと」を分けておくと、夜間の負担が減る。
深夜にご逝去の連絡を受けたとき、何をすぐにやり、何を朝まで待てるのか。この区別ができていないと、夜のうちに全部やろうとして疲弊します。時間帯で整理します。
連絡を受けた直後、すぐにやることは何か?
お迎えの可否と時間をお伝えすることです。ご遺族が最も知りたいのは「いつ来てくれるのか」であり、そこが決まらないと次に進めません。
そのために必要なのは、いまいらっしゃる場所・お連れする先・ご希望の時間の3つです。これが揃えば手配に入れます。詳しい打合せは、この段階では不要です。
あわせて、ご連絡先を確保します。途中で電話が切れることは珍しくありません。こちらから掛け直せる状態を早めに作っておきます。
お迎えの前に、社内で何を決めるのか?
誰が向かうか、どの車で行くか、到着予定は何時か。この3つです。決まったらご遺族へお伝えします。「向かっています」より「何時頃に到着します」のほうが、待つ側の不安は小さくなります。
病院からのお迎えであれば、霊安室の場所や夜間の出入口も確認します。到着してから探すと、それだけで時間を取られます。
ご自宅の場合は、道幅や駐車場所の確認が要ります。深夜の住宅街では、車を停める場所ひとつで近隣への配慮が変わります。
ご安置までに、必要なことは何か?
安置先の確保と、ご家族の付き添いの有無です。ご自宅へお連れするのか、安置施設をご利用いただくのか。ご希望が定まっていない場合は、選択肢をお示しして決めていただくことになります。
深夜に決められないというご家族もいらっしゃいます。その場合は、いったん施設へお連れして翌日改めて、という形が取れることをお伝えできると安心されます。その場で決めきらせない選択肢を持っておくことが大切です。
ご遺族に、その夜のうちにお願いすることはあるのか?
多くはありません。強いて挙げれば、ご本籍地の確認です。死亡届に必要で、うろ覚えでは記入できません。戸籍謄本や運転免許証、住民票などで確認していただく必要があります。
ただし、深夜にお願いするかどうかは状況次第です。翌朝の打合せまでにご確認いただければ間に合いますので、無理にその場でお願いする必要はありません。「朝までにご確認いただけますでしょうか」とお伝えするだけで十分です。
その他のご準備(ご遺影のお写真、ご連絡される方の一覧など)は、翌日以降で構いません。深夜に頼むと、かえって混乱させます。
朝まで待てることは何か?
ほとんどがそうです。以下は翌朝以降で間に合います。
- 火葬場の予約(多くの場合、受付は日中)
- 死亡届・火葬許可の手続き
- 式場・日程の決定
- 宗教者への連絡
- お見積りのご提示
これらを夜のうちに進めようとすると、電話がつながらない先が多く、結局待つことになります。朝にまとめて動くほうが、実際には早く終わります。
翌朝、最初にやることは何か?
夜のうちに伺った内容の確認です。聞き取りに誤りがないか、抜けがないかを、ご遺族と一緒に確かめます。とくにお名前と生年月日は、書類のすべてに関わるため、ここで正確にしておきます。
次に、火葬場の空き状況を確認します。日程はここで決まることが多く、その後の段取りがすべて連動します。
この2つが終われば、あとは通常の打合せの流れに入れます。夜の対応が適切にできていれば、朝は確認から始められます。朝を「一からの聞き取り」にしないことが、夜間対応の目的です。
担当者を夜中に起こすべきなのは、どういうときか?
お迎えが必要なときです。逆に言えば、それ以外は朝で構いません。事前相談のお電話や、業者からの連絡で起こす必要はありません。
難しいのは、用件が分からない場合です。夜中に鳴った電話で、内容が把握できていなければ、ご逝去の第一報かもしれません。この場合は起こす側に倒すのが安全です。軽い用件で起こしてしまう損失より、第一報を取りこぼす損失のほうが大きいためです。
この判断基準を、あらかじめ社内で共有しておいてください。その場の判断に任せると、人によって基準が変わります。
夜のうちに記録しておくべきことは何か?
伺った内容そのものと、伺った時刻です。時刻が残っていると、翌朝の担当者が「何時間経っているか」を把握でき、ご遺族への言葉づかいも変わります。
記録は整形しなくて構いません。むしろ、伺った順にそのまま残すほうが、翌朝に読む側には役立ちます。整形しようとすると時間がかかり、疲れている夜には省かれます。
そして、聞けなかった項目を空欄のまま残してください。埋まっているように見えて実は推測、という状態がいちばん危険です。空欄は「ここを確認すべき」という指示になります。
翌朝の引き継ぎで、何が落ちやすいのか?
ご遺族の様子です。項目としての情報は残りますが、「非常に動揺されていた」「ご親族の到着を待ちたいご意向だった」といった文脈は落ちやすい。これが落ちると、朝の応対が事務的になります。
短くて構わないので、印象を一行残しておくことをお勧めします。翌朝の担当者が、電話口でどう接するべきかの手がかりになります。
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