この記事の要点
- 測るのは4つ。着信時刻・発信元・出られたか・用件の種類。
- 記録先は1か所に決める。分散すると月末に集計できない。
- 測らずに体制を変えると、変えた効果も分からない。
夜間対応を見直すとき、いきなり体制やサービスの比較から始めがちです。ただ、その前に自社の状況を数字にしておくと、判断の質が大きく変わります。1か月あれば集まります。
そもそも、なぜ測る必要があるのか?
2つ理由があります。ひとつは、判断の根拠になること。「夜が大変だ」という感覚と、「先月は7件あって2件を取りこぼした」という事実では、社内での議論の質がまるで違います。
もうひとつは、変えた後に効果を確かめられることです。測らずに体制を変えると、良くなったのか、たまたま着信が少なかったのかを区別できません。改善したつもりで終わってしまいます。
測ることは、変えるための準備であると同時に、変えたことを検証するための土台でもあります。
何を測ればよいのか?
4つで足ります。多くすると続きません。
| 項目 | なぜ要るか |
|---|---|
| 着信の時刻 | 時間帯の偏りが分かる。備え方が変わる |
| 発信元 | 非通知・代表番号の割合が分かる |
| 出られたかどうか | 取りこぼしの件数が分かる |
| 用件の種類 | ご逝去・事前相談・業者などの内訳が分かる |
用件の種類は、出られなかった場合は分かりません。空欄のままで構いません。分からないことを分からないまま残すほうが、推測で埋めるより役に立ちます。
どうやって記録すればよいのか?
紙で構いません。電話のそばにA4を1枚置いて、4つの欄を作るだけです。表計算ソフトでもよいのですが、深夜に起きて入力するのは負担です。書きやすさを優先してください。
重要なのは記録先を1か所に決めることです。携帯の履歴、事務所のメモ、担当者の記憶に分散していると、月末に集計できません。1枚の紙に集約するだけで、集計は驚くほど楽になります。
出られなかった着信も必ず書きます。むしろこちらが本題です。翌朝に携帯の履歴を見て、時刻と番号を書き写す運用にしておくと漏れません。
1か月で足りるのか?
判断の入口としては足ります。ただし、季節や地域の事情で件数が動くことは頭に入れておいてください。可能であれば3か月あると、ばらつきの幅も見えます。
迷うくらいなら、1か月で始めるほうがよいでしょう。完璧なデータを待つより、粗くても数字がある状態のほうが前に進めます。足りなければ続ければよいだけです。
集まった数字を、どう読めばよいのか?
まず、件数と取りこぼしの割合を見ます。次に、時間帯の分布を見ます。深夜2時台に多いのか、22時台に多いのかで、必要な備えは変わります。
用件の内訳も重要です。ご逝去の第一報が多ければ、取りこぼしの重みは大きくなります。業者からの連絡が多いのであれば、そちらは翌朝でも構わないかもしれません。全部を同じ重さで扱わないことが、費用対効果を考えるうえで効いてきます。
この数字は、その後どう使うのか?
3つの場面で使います。サービスを比べるとき、社内で説明するとき、導入後に効果を確かめるとき。
とくに3つ目が大事です。導入前の数字がなければ、導入後に「良くなった」と言っても根拠がありません。導入前の1か月は、二度と取り直せないデータです。変える前に必ず取っておいてください。
測っているうちに分かることはあるのか?
よくあります。「思ったより件数が少なかった」「特定の曜日に偏っていた」「非通知が多かった」など、感覚とずれていることが分かります。
ずれが分かるだけでも、測った価値があります。感覚で決めていた備えを、実際に合わせて組み直せるからです。体制を変えないという判断も、数字があってはじめて自信を持って選べます。
記録が続かないときは、どうすればよいのか?
項目を減らしてください。4つが多いと感じるなら、最初は「時刻」と「出られたか」の2つだけでも構いません。件数と取りこぼしが分かるだけで、判断の入口としては十分です。
続かない原因の多くは、記録する場所が遠いことです。電話のそばに紙がない、パソコンを立ち上げないと書けない。この摩擦が数日で運用を止めます。手が届くところに置くだけで、続き方が変わります。
もうひとつ、書く人を限定しないことも大切です。夜に出た人が誰であっても書ける形にしておく。担当者だけが書く決まりにすると、その人がいない夜の記録が抜けます。
測ったあと、いつ判断すればよいのか?
1か月ぶんが集まった時点で、いったん見てください。判断を先送りしても数字は劇的には変わりません。むしろ、早く一度読むことで「もっとこれも知りたい」という点が見えてきます。
その時点で結論が出なくても構いません。「もう1か月続ける」という判断も、数字を見たうえでの判断です。
記録は、体制を変えたあとも続けてください。導入前と同じ項目を取り続けることで、変化がそのまま比較できます。途中で項目を変えると、前後の比較ができなくなります。同じ物差しを持ち続けることが、いちばんの価値です。
最後に、記録を取ること自体が現場の負担になっては本末転倒です。1日1分で終わる形にしてください。時刻と丸印だけ、という運用でも、1か月続けば十分に判断材料になります。
Tomori は、葬儀社の夜間・早朝のお電話を AI が一次対応し、引継ぎメモを添えて担当者へお繋ぎするサービスです。
デモ・ご相談のお問い合わせはこちら 株式会社VODE ── 日本の業界知に、音声AIの実装力を。現場のお話を伺うだけのご協力も歓迎しております。